Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 日々工房で過ごした1週間
週末になりました。今週の創作活動における振り返りを行ないます。今週は一日も休まず工房に通い、陶彫制作に明け暮れました。朝は9時から制作を始め、午後は3時くらいまで制作していた日が3日間ありました。他の日は午前中で制作を止めていました。相変わらず工房は蒸し暑く、1時間ほど作業をやっているとシャツに汗が滲んできます。教職に就いていた頃は、夏季休暇を利用して毎日朝から夕方遅くまで制作に邁進していて、ビッショリになったシャツを何枚も替えてやっていました。こうしないと創作活動をしている気がしないとさえ思っていました。人間はどのくらい汗が出るのだろうと当時は思っていて、元々汗かきの自分は土練りに自らの汗が混ざってしまいました。それでも不思議と風邪を引いたり、熱中症にはならなくて、何故か元気に過ごしていました。今は汗をかきすぎると疲労が伴います。加齢のせいかもしれず、作業中に座り込むと暫し動けなくなるのです。今週は後輩の彫刻家も工房に来ていて、私より長く工房に留まっていました。二科展の搬入に間に合わせるために彼は頑張っていて、その彼に背中を押されるようにして、私も調子よく作業に埋没していたのでした。改めて彫刻という表現はなかなか大変だなぁと感じます。その困難さを芸術の最高峰に位置づけたのは、偉大なミケランジェロでしたが、作業に汗まみれで取り組んでいると、その理由がよくわかります。立体表現は面白く、制作途中では視点が複数あるため、手を止めることは出来ませんが、ちょっと休憩すると疲労がジワリとやってきます。立体表現の迷路に迷い込んで、吸い込まれるように闇に落ちていきそうになりますが、そこを見定めるのは全体を俯瞰する力です。作品全体を取り囲む空気であり、私たちがよく使う空間というコトバです。私たち彫刻家は空間を変容させるための装置を作っていると考えれば、視界が広がります。そこが立体表現の魅力でしょう。