Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 陶土との触れ合い自分流
日曜日になり、美大生と美大受験生が工房にやってきて、それぞれの課題に取り組んでいました。彼女たちがいたため、今日は夕方3時まで工房で作業をしました。真夏とは違い、気温も多少凌ぎ易くなってきましたが、それでも汗が噴出してシャツがビッショリになりました。というのは今日の私の制作は、陶彫として立体を立ち上げる前段階の土練りとタタラ、陶土の保存であって、言わば力仕事がほとんどであったためでした。陶土は「発掘シリーズ」を通して同じ陶土を使っています。これは単身ではなく複数の陶土を割合を決めて混合しているのです。小型の重量計を使って複数の陶土を正確に測り、土錬機に投入します。陶土全体では毎回40kgを混合します。土錬機から円筒状の陶土が出てきますが、それを3回繰り返して完全に混ざるまでやっていくのです。土練途中で彫り込み加飾によって削り取った余剰分の陶土も一緒に土錬機に投入していきます。陶土を余らさずに使い切るのが自分流で、焼成前であれば、何度でも土錬が可能です。時折土錬機から出てきた円筒状の陶土に指を入れて、均一に混ざり合っているかを確認します。多少でも固さが残っている場合は、再度土錬機にかけていきます。混ぜれば混ぜるほど粘着質の良好な陶土が出来上がってきます。また乾ききった陶土は水を打ってビニールで梱包し、ある程度の柔らかさになってから土錬機に入れます。教員の中には土錬機の扱いに慣れていない人もいて、土錬機のプロペラを壊してしまった件もありました。土錬機は、乾いた陶土を元に戻す機能はなく、あくまでもA土とB土を混ぜ合わせるのが土錬機の機能です。そうして出来上がってきた陶土を適当な大きさにして、手で菊練りをしていきます。最後は手で練って陶土の中にある空気を外に出していくのです。菊練りした陶土は小分けにしたままビニールで包んで保存します。陶彫制作の第一歩は陶土との触れ合いから始まります。手塩にかけて土を育成するような感覚です。今日は汗をかきながら陶土との触れ合いに時間を割きました。明日からまた成形です。