Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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美じょん新報の評壇より
ビジョン企画出版が刊行している新報には毎月「評壇」の欄があって、美術評論家の瀧悌三氏が執筆しています。ここに毎年私のギャラリーせいほうでの個展の批評を載せていただいています。瀧氏は個展初日に来てくださり、暫し私と懇談しています。瀧氏が書く批評は歯に衣着せぬもので、短文ではありますが、毎年私は作家冥利に尽きる言葉をかけていただいています。今年は17回目の個展でしたが、「発掘」シリーズとしては14回目になり、それも記事にしていただきました。因みに残りの3回は「構築」シリーズになっています。「陶彫・『発掘』シリーズ14回。黒褐色の古い遺跡発掘品を思わせる擬古物陶製彫刻。連年発表していて、今回はまた前と変って、大作は、鎧のような形の2~4体を板で四角に囲ったのが、4組並ぶ。壮観。中品は塀壁のような衝立の上に発掘物体を並置。小品は舟の形のような物体、順次変化し、全6箇。1年ごとに構想が動いていくその推移を、作家自身興深く享受。」という批評でしたが、毎年見ていただいているからこそ、構想が動いていく推移を捉えていただいています。私は最初のデビュー作品から古い遺跡発掘品を思わせる擬古物陶製彫刻というのは変っていませんが、そうした発想の源泉からイメージを膨らませて、現在に至っているのです。イメージも私の中では蓄積であり、変化であり、発展なのだと考えていて、太い骨子が貫いているのを強く意識しています。ブレないのが私の特徴で、自らの造形思考を構築するために何年も費やしてきた結果です。そういう根っこがあるからこそ構想がどんなに動いても作品として具現化できると思っています。