Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 久しぶりに女子美祭へ
週末になりました。週末になると相原工房には、女子美術大学工芸学科の学生がやってきます。彼女の案内で今日は久しぶりに対面で開催された女子美祭へ行って来ました。新型コロナウイルス感染症の影響で大学の芸術祭にお邪魔するのは3年ぶりです。学生作品の展示風景を見ていると、数年前まで芸術祭によく出かけていた雰囲気が甦ってきました。当然学生が制作した作品なので、実力部分としての不満もありますが、伸びしろを感じさせてくれる作品もあって、若い息吹としては良い刺激をもらえます。研鑽を積んでいる作品は自ずと分かってきて、悩みや苦しみも表現に置き換えているんだろうなぁと思います。今回は日本画専攻の学生作品に研鑽の痕跡が多く見られました。以前、美大の芸術祭を見て幾度となく書いてきたことですが、学生は在籍する4年間は施設や指導者、仲間たちに囲まれて、自己表現の追求を誰に遠慮することもなくやっています。その4年間は素晴らしい環境が当たり前になっていて、その中で自己発見をするための悩みを抱えているのです。ずっと後になって、それが生涯最高の時間だったことに気づきます。社会に出れば、民間企業だろうが教育機関だろうが、人のため、社会のために力を尽くしていくことを余儀なくされるのです。創作活動で食べられる人は、一部例外を除いては、ほとんどいないと言えます。この美大生の中で、どのくらいの学生が自分を見失わずに将来も自己表現活動を継続していけるのか、年度によっては皆無であることもあろうかと思います。自己表現をしたいがために自分で環境を用意するのが良いと考えますが、美大に関してはそんな考えが固まらないうちに素晴らしい環境を用意してくれて、自己表現を育んでいくように仕向けています。温床で育った学生たちには、卒業後に試練が待っていて、そこで篩いにかけられるのです。私も同じ経験をしてきました。私の場合は、学生時代に自己表現が上手くいかず、やり残したことが多すぎて諦めきれなかったというのが本音です。今日は女子美祭に行って、久しぶりにこんな感想を持ちました。