Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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「死と生の遊び」を読み始める
自宅の書棚にはいつどこで購入したものか分からない書籍が眠っています。大手書店に行くと、私は手当たり次第興味の対象になる書籍を複数購入する癖があり、それを忘れてしまっているのです。書棚を眺めているとそんな書籍を見つけて読んでみる事も多々あります。あれ?これは前に読んだかもしれないと記憶している書籍もあるし、途中で放棄している書籍もあります。気分次第で読書をするのは推奨できるものではありませんが、今回は内容的にも面白いテーマが羅列しているので、これは楽しそうと思いました。今日から「死と生の遊び」(酒井健著 魁星出版)を読み始めます。内容をざっと見てみると、芸術表現を遊びという概念で捉えているところに面白味を感じました。「まえがき」にあった文章から引用いたします。「人間の遊びとは、自然界の遊びに加わる試みにほかならない。自己への執着、延命への欲求、労働の重視、このような自分中心の態度に亀裂を入れて、自然界の自由奔放な流れにいっとき触れることである。濁流のように圧倒的で危険な流れに、まさに命を賭して接するという行為なのだ。祭儀、そして芸術も、この人間の遊びを本質的な要素にしている。~略~本書がめざしたところは、先史時代から20世紀に至るまでの西洋の芸術作品において遊びの面を際立たせて見せるということである。それぞれの作者が命を賭するほどの意気込みで遊んでいるわけだから、私の話も自ずと人間の厳しくまた異様な面に及んでいる。とりわけ20世紀に入ると、死、破壊、エロスといった生の表出の重たいテーマが何度となく言及される。二度の世界大戦に象徴されるように、西洋近代文明は混迷の度を深めてゆき、これらの生の表出をも、個人から国家まで自己本位に利用していった。20世紀の芸術家たちは、時代のこの大きな流れに抗しながら、作品を遊びへ、生命の広い展望へ、開かせようと悪戦苦闘していたのである。」本書は細かい単元に分かれているので、単元ごとではなく、関連するものを繋げてまとめようと思います。楽しみつつ本書を読んでいこうと思います。