Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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勤労感謝の日に心の豊饒を願うこと
今日は勤労感謝の日で、休日になっています。勤労感謝の日とは何か、ネットで調べてみると「『勤労をたつとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう』国民の祝日。1948年(昭和23年)に制定された。それ以前は国の祭日で、天皇が新穀を天神地祇 (てんじんちぎ)に勧め、自らも食する新嘗祭 (にいなめさい)という祭事の日であった。この影響もあってこの日はいまも農業関係者の祭典の色彩が濃くみられる。」とありました。日本各地で民俗伝承としての祭事が行なわれているのは、こういう関係があるのかと納得しました。秋は収穫や豊饒を祝う祭りがある一方で、私は創作活動に従事する者として、芸術を謳歌するに相応しい気候の中で、大いに制作を頑張ろうと思っているのです。つまり、勤労感謝の日に心の豊饒を願うことです。とは言え今日は雨が降りしきる寒々しい一日で、朝から工房に籠っていると、寒さが身に応えました。新作は只管立方体を陶土で作っていて、日々その繰り返しに終始しています。それでも立方体ひとつひとつは同じ大きさであっても、彫り込み加飾が異なるため、バリエーションは豊富です。立方体は立体RECORDのつもりでやっているので、月毎に加飾する文様を変えています。今日は昨日用意した畳大のタタラを数枚使い、成形を2点作りました。そしてまた畳大のタタラを数枚用意して、明日の成形に備えます。成形は2点ずつ作りますが、その後の制作工程の彫り込み加飾に手間がかかり、これは一日かけてひとつずつしか出来上がっていきません。一日のうちに土練り、タタラ、成形、彫り込み加飾、乾燥、仕上げと化粧掛け、焼成のうち、どこかの工程を順番にやっているわけです。成形2点を作った今日も、窯の中には8点の陶彫作品が入っています。複数の工程を同時にやっていく、これが制作サイクルです。ずっと休むことなく続く工程ですが、心の豊饒とはそうした環境の中で育まれるものなのかもしれません。