Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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焼成温度確認&東京の博物館へ
先日、窯の修理を行い、日曜日の夕方に窯入れをしました。月曜日は焼成の関係で窯以外の電気が使えず、照明がない中で陶彫制作を行っていました。窓を開ければ日が差し込んで、手許は明るくなって作業が可能でしたが、どうも自然光では通常とは勝手が違って、作業のやり難さを感じました。昨日、窯を開けたところ、焼成が成功していて、ホッと胸を撫で下ろしましたが、窯出しをしてすぐに修理前の窯で焼成した作品を再度窯に入れたために、今日は月曜日と同じ照明が使えない一日になってしまいました。陶彫制作をやりたくて仕方がない逸る気持ちを抑えて、今日は工房では焼成温度の確認だけをして、きっぱりと作業は諦めました。創作活動には実技と鑑賞が両輪となって進んでいくものと私は考えていて、今日は鑑賞に当てることにしました。東京上野にある東京国立博物館で開催している「東福寺」展は、平日にも関わらず多くの観客で賑わっていました。京都の東福寺に私は幾度となく訪れていて、そのほとんどが庭園を見るための観光でした。教職にあった頃は修学旅行の生徒引率で行っていましたが、それは仕事だったために落ち着いて観光が出来ずに、機会を改めて個人旅行で東福寺に足を運びました。造園家重森三玲による「八相の庭」はその空間解釈の素晴らしさに毎回感嘆し、自ら創作している彫刻表現に生かせないか、当時から思案していました。今回の「東福寺」展では、東福寺が所蔵する宝物に触れ、とりわけ吉山明兆による「五百羅漢図」や鎌倉時代に作られた慶派仏師による仏像の数々に目を見張りました。吉山明兆は雪舟等楊と並び称される画聖であり、その力量を惜しみなく発揮されたのが「五百羅漢図」で、その全容を見て気分が高揚しました。詳しい感想は改めて別稿を起こします。今日は初夏を思わせる一日で、上野公園には多くの人々が訪れていました。新緑の中、大陸からやってきた黄砂を心配しながら、上野公園を歩いて気分転換を図りました。今日は充実した一日だったと思っています。