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「シュルレアリスムのために」を読み始める

「シュルレアリスムのために」(瀧口修造著 せりか書房)を読み始めました。本書は1978年に発刊されたもので、横浜駅の古本ワゴンセールの中から見つけました。自宅の書棚に「瀧口修造コレクション」(みすず書房)があり全巻揃えようとして、実は第7巻「シュルレアリスム」の一冊が欠落しています。私は一気に全巻を購入することはせず、1巻ずつ読みながら揃えていく癖があるため、これは瀧口全集だけに限らず、その他にも全巻が揃わない全集が数多くあるのです。全集と言えば中学校入学時に母親から百科事典を贈ってもらいました。全巻揃っているのはこの百科事典くらいで、職人家庭だった実家には、まともな書籍がなく、読書好きだった私に母親がプレゼントしてくれたのでした。それからというもの私は興味のある作家や評論家の全集をコツコツ集め出したのでした。瀧口全集は、私が教職に就いてから集め出したもので、学生時代から関心のあったシュルレアリスムについて系統立てて学習しようと考えたのでした。その頃、第7巻については問い合わせもしましたが、結局手に入りませんでした。古本で手に入れた本書は第7巻の埋め合わせになるかもしれず、改めてシュルレアリスムについて瀧口修造の評論を紐解こうと思います。私はアンドレ・ブルトンを初め、さまざまな機会にシュルレアリスムに関する書籍を購入し、また展覧会に出かけています。最初の頃に手に入れた「シュルレアリスムと絵画」(瀧口修造・巌谷國士監修 人文書院)の冒頭の一文「眼は野生の状態で存在する。」が妙に記憶に残り、そこから私のシュルレアリスムの遍歴が始まったと言ってもよいと思います。先日まで読んでいたバロック時代の宗教画に関する書籍から一転してシュルレアリスムになり、多少なり日常に戻った感じを私は持っています。