Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

定番になった窯入れ&美術館散策
スケジュールが切迫した陶彫制作でも成形や彫り込み加飾ばかりやっていられず、土練りや焼成という大事な制作工程があります。とくに焼成で作品を窯に入れている間は、電気の関係で照明等が使えず、工房での作業は諦めざるを得ません。そんな窯入れの最中に、美術館に行って展覧会を見てくるのが定番になっています。昨日は窯入れの準備に追われました。今朝は窯の温度確認に工房に行き、そのまま座布団大のタタラを数枚用意しました。太陽光しか入らない工房でも単純な作業は出来るのです。昼前になって定期診察のために家内を車で病院に連れていき、診察が終わった後、家内を邦楽器の練習会場に送り届けました。これも焼成で工房が使えないために付き添えたことで、時間を有効に利用したと思っています。午後は私一人で東京の上野に出かけていきました。東京都美術館で開催している「デ・キリコ展」を見てこようと思っていたのです。上野駅に着いた時は大勢の観光客がいて、展覧会場はどうなっているのか心配しましたが、幸い「デ・キリコ展」は思っていたような混雑ぶりはなく、落ち着いて作品を鑑賞することが出来ました。ちょうど今シュルレアリスム関連の書籍を読んでいるので、「デ・キリコ展」は私にとってタイムリーな企画展でした。芸術家ジョルジョ・デ・キリコはギリシャ生まれのイタリア人で、私からすれば彼は西洋美術を体現した成育歴を持ち、そのバタ臭いデッサンを基盤に、遠近法を歪め、謎の物体を配置した形而上絵画をじっくり眺められる絶好の機会となりました。デ・キリコの作品は幾度となく日本で私は見ていて、それほど久しぶりな感じを持たなかったのは、前にどこかで展覧会が企画されていたのではないかと思いました。今回は質量ともにかなり充実した作品群があったので、詳しい感想は後日改めたいと思います。明日から再び陶彫制作に精を出しますが、今日は良い気分転換になったように思います。