2024.07.27
週末になり、個展明けの1週間でしたが、陶彫制作中心というより、新作のために思考を繰り返した1週間になりました。私の個展を見に来てくださった人の中に、「毎日書道展」の出品者や、嘗ての教員仲間で絵画によるグループ展を開催している人たちがいて、今週は「毎日書道展」(国立新美術館)、「7月の光」展(うしお画廊)、「DAN展」(みつい画廊)をそれぞれ回ってきました。炎天下の東京や横浜の街中を歩いていると、体温と変わらない熱風の中で、電車を降りたところから目的の場所までの間で、瞬時に汗が噴き出してきました。これでは工房に長く留まることさえ身体に負担を強いるので、今週は工房に長く留まらない方法で創作活動をやっていこうと思いました。今週で一番インパクトがあったのが映画「アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家」(横浜シネマリン)を観たことでした。こういう映画は、娯楽性のある映画館では扱わないし、上映期間も短いので、私は思い立ったらすぐ観に行くようにしています。ドイツの芸術家アンゼルム・キーファーは、崩壊された世界を再現し、その中に人間の生きる根源を示していると私は解釈しています。私も「発掘シリーズ」を通して、遺物の掘り起こしから未来へ向けてのメッセージを伝えたいと考えてきました。新作はそこに拘ってイメージを捻りだしたいのですが、暫し時間をかけていくつもりです。素材への扱いはキーファーから得られた感覚に頼ろうと思います。ただし、キーファーが扱う素材は同じ形態を保って長い間保存するのが難しく、展覧会はインスタレーションとしての性格を帯びています。キーファーの師匠であるヨーゼフ・ボイスの理念をキーファーなりに発展した表現ですが、私の作品は陶という技法もあり、形態を保存する彫刻としての概念をまだ有しているのです。そんな表現の相違を感じつつ、キーファーが未来に託した訴えに、私も自分なりに近づこうと考えているところです。