Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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「フランク・クプカ」について
「抽象芸術」(マルセル・ブリヨン著 瀧口修造・大岡信・東野芳明 訳 紀伊國屋書店)の「Ⅲ 現代抽象美学の形成 」の中で具体的な芸術家を取り上げていますが、今回の単元はチェコの画家「フランク・クプカ」です。クプカは最初の頃はアカデミックな絵画を描いていましたが、飛躍的に抽象絵画に移行した画家で、この芸術家に何があったのか、文章から読み解いていきます。「具象的再現からの断絶は、芸術家を解放する役割を演じ、その結果かれは宇宙と交わり、伝統的な表現手段にはいっさい依存せずに、体験を通してえたこの宇宙的認識を表現できる状態にまで高められるのである。こうして、芸術家と宇宙との関係は、かれ固有の資質にもとづいて確立され、しかも完全な自律性をもったものとなる。フランク・クプカがその版画集『白と黒の四つの物語』の序文で言っているように、『それ自身抽象的現実である芸術作品は、創りだされた諸要素によって構成されることを要求している。作品の具体的意味というものは、表わされる形態の型と、作品の有機的組織に固有な造形条件との組合せそのものから生まれるのである。』~略~クプカのこうした宇宙的経験ー私はかれの創造の営みを定義するのにこの言葉以外のものを見いだせないーは、溶解する、一見混沌たる宇宙とのある種の感情的合体から生まれたものであり、かれは限定しがたい激動する世界の内部に、しだいにはっきり、遊星の軌道、樹液の泡だち、植物、鉱物、天体などいっさいのうちふるえる生命の図式を見いだしていった。」クプカとモンドリアンの違いにも触れた文章がありました。「具象画家クプカと抽象画家クプカのあいだには越えがたい深淵があるにしても、かれにおける抽象様式化は、逆に、美学的であると同時に倫理的なある厳しい必然性に従い、またしだいに広範になる純粋化作用に従って発展しているからである。~略~これは、別の手段によって時に同じような結果を得たピエト・モンドリアンの行き方とは異なっている。事実、モンドリアンはときどき、その幾何学主義を通じて、キュビスム的経験を最尖端にまでおしつめたという感じを与える。ところがクプカにあっては、逆に幾何学は有機体を馴化するための技術にすぎない。」今回はここまでにします。