Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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「エコール・ド・パリ」について
「近代絵画史(下)」(高階秀爾著 中公新書)の「第20章 エコール・ド・パリ」について気になったところをピックアップしていきます。「シャガールと相前後してパリにやって来た異邦人芸術家は、歴史に名を残すほどの大家たちだけにかぎってみても、同じロシアからやって来たスーティンをはじめ、オランダのモンドリアン、イタリアのモディリアーニ、ブルガリアのパスキン、ポーランドのキスリング、チェコのクプカ、日本の藤田嗣治などを挙げることができる。もちろん、もう少し視野を広げるなら、フォーヴの仲間のヴァン・ドンゲン、キュビスム運動の中心にいたピカソとグリス、未来派のセヴェリーニなどの名前も、当然同じような『異邦人画家』として、そのリストに加えることができるであろう。さらに、彫刻家として、アルキペンコ、リプシッツ、ブランクーシ、ゴンザレスなどがいた。」数多い芸術家の中で私が注目した2人を取り上げます。まず、ユトリロ。「ユトリロは、生まれながらにして、父無し子という不幸な運命と飲酒の悪習を背負わされていた。それと同時に、彼の優れた絵画の才も天賦のものであったが、初めのうちは誰も、母親でさえも、それに気づかなかった。ただ、何とか気を紛らわせるためにという母親の思いつきが、思いもかけず彼のなかの画家を目覚めさせたのである。その母親も、彼を絵画の世界に導きはしたものの、何ら具体的な技法のことを教えてくれたわけではなく、まして他の誰からも正規の指導を受けたこともなかったのに、ユトリロは最初から、表現に素朴なぎこちなさを残しながらも、すでに完成された自己の世界を持っていた。」次にモディリアーニ。「生涯、風景や静物をほとんど描かなかったモディリアーニにとって、人間の顔は、造形的にも心理的にも、かぎりなく豊かなモティーフを提供してくれるものであった。彼の描き出す人物は、裸婦の場合は別として、ひとりひとりのモデルの個性的な特色がはっきりわかるように的確に捉えられており、その意味では彼の人物たちはすべて、モディリアーニだけの世界の住人として、見紛うことのない様式上の特性をそなえている。その特性は、キュビスムの美学と同時に、キュビスムの画家たちにも大きな影響を与えたあのアフリカの黒人彫刻のたくましい表現力に支えられている。」今回はここまでにします。