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「ティツィアーノ」について・2
「芸術家列伝2」(ジョルジョ・ヴァザーリ著 平川祐弘・小谷年司訳)の「ティツィアーノ」について、2つに分けて気に留まった箇所をピックアップいたします。今回は後半です。「ティツィアーノの手法は、実のところ、若かりし日の彼の手法とはかなり違ったもので、青年時代の作品には、洗練された信じがたいほどの入念さで仕事がしてあったから、近くから眺めることにも遠くから見ることにも耐えるが、最近の作品は、大まかに、一気呵成に、斑点でもって描いてあるから、近くから見るとなんのことかわけがわからない。ところが、離れて見ると完璧な姿が浮かびあがってくる。これが原因で大勢の者がこの真似をしだす。実際やってみると、つまらぬ下手な絵ばかり出来あがる。というのは結局、こうした絵が労せずして描けると思うのがそもそも間違いなので、実際はなんどもなんども筆を加え、その上に色を何回も塗っている、だからよく見ればその辛苦のさまもわかろうというものである。」さらに評価について書かれていました。「ティツィアーノは素晴らしい絵画の数々でヴェネツィアもイタリアもまた世界のほかの国々をも飾りたてたわけだから、画工たちから愛され尊敬されるだけのことはあるので、いくらほめてもほめたりない作品を作った人として、いや、今も作りつつある人として、多くの点で讃美され模倣もされている。その作品は、有名な人々の後世に記憶される限りは、長く長く伝えられるであろう。大勢の人々がティツィアーノについて学ぼうとしたが、しかしいま、真に彼の弟子といえそうな人の数は実は案外多くない。というのもティツィアーノはあまり多くを教えないからで、弟子は、ティツィアーノの作品から学び取れるところを多かれ少なかれ各自勝手に学び取っていたようである。」モザイクについて触れた箇所がありました。「モザイク芸術がまだ当地で栄えている主因はなんといってもティツィアーノで、彼自身がモザイクの仕事をしたものだから、ヴェネツィアでこの仕事を手がけた人たちはそのおかげで名誉ある報奨をいただくことができた。それだからサン・マルコ寺ではさまざまな作品が作られ、昔のモザイクはほとんど修復され、ジョット、アレッソ・バルドヴィネッティ、ギルランダイオ、細密画家ゲラルドなどの時代のフィレンツェやローマではとうてい想像もされなかった高い位置に、この種の絵画を持ちあげたのである。」今回はここまでにしますが、ティツィアーノをもって「芸術家列伝2」は終わります。引き続き「芸術家列伝3」を読み始めます。