2026.05.30
週末になりました。土曜日はその週の振り返りを行ないます。今週は木曜日以外工房に通い、「炭景」4点の彩色を行なっていました。彩色による下地作りは今週で終わりました。その下地がよく乾いてから、幅広の刷毛を使って掠れによる最終的な彩色を施す予定です。それは下地がしっかり乾かないと出来ないので、作品ごとに一日ずつ放置することにしました。その放置日である木曜日に、家内と神奈川県茅ケ崎にある茅ケ崎市美術館に出かけてきました。同館で開催されている「牧野邦夫」展は、NHK日曜美術館で情報を流したこともあって、多くの鑑賞者で溢れていました。私は嘗て練馬区美術館での彼の展覧会を見に行っていて、力瘤が込められた作品群を見て、結構疲れた記憶がありました。ただし、写実絵画は暫し見ていると退屈になるのが私にとって通常ですが、「牧野邦夫」展はまるで異なり、刺戟的な作風は衰え知らずで、私にこれでもかと迫ってきました。彼はヨーロッパ古典絵画技法を完璧に身につけ、それを駆使した日本の物語を紡いだ大きな作品があり、それはなかなか壮観でした。とりわけ彼の描く手や足の表情が素晴らしく、また画面の中でも人を惹きつけるポイントになっていました。享年61歳は短い生涯と言えるでしょうか。画業を見ていると思いのすべてをぶつけたような生涯だったように思えますが、いかがでしょうか。現在、私自身も油絵の具を使って作品を作っている最中で、私は慣れない絵画制作に苦戦していますが、絵画としての捉え方に試行錯誤する毎日です。私の場合、絵の具は何か物語を描き出す材料ではなく、絵の具は単に絵の具であり、彫刻素材としての捉え方をしています。絵の具を塗装しているパネルも単に物質であり、これは壁に掛ける空間作品と考えているのです。具象絵画から具象でない絵画までの表現の幅の広さは今に始まったわけではないにしろ、現代では芸術作品の多様化は絵画という枠を超えています。ただし、そこに精神性があるか否かは、作家個人の創作への追求の姿勢によるものと理解しています。