Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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石膏の型を作る
昨日練った陶土はたたら(板状)にして、少し乾燥させて土に強度が出始めたところで、立体構成のように立ち上げていきます。土台になる面が平面であれば、すぐにでも成形を始めるのですが、今回の新作は土台が彎曲しています。そこで土台にする型が必要になります。この型は石膏で作ります。粘土で原型を作り、石膏をかけて原形の雌型を取るのです。学生の頃は塑造で人体を作っていたので、その粘土の原形から石膏に変える方法を幾度かやっています。これを石膏型取りと言って、石膏の雌型をいくつかのパーツに分けて取るのです。理由は原形が複雑なため、原形の粘土が雌型からうまく外れてくれないからです。パーツに分けるのにあらかじめ切り金(真鍮の薄板)を原形に差し込んで、そこから石膏型が分かれるようにするのです。でも陶彫の型はそんなに複雑な原形ではないので、単純な石膏型取りになります。慣れ親しんだ石膏を初めて工房に持ち込んでの作業です。石膏を水で溶き始めると、学生時代に悩んでいた塑造が目に浮かびます。当時は粘土から石膏に変えた作品が気に入らず、直彫りで何度か鑿を振るい、結局は失敗と認めた作品が数多くありました。そんなことを思いながら石膏の型を作りました。                               Yutaka Aihara.com