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マックス・ビルの造形
高校時代、美大受験のため通っていた予備校で、スイス人造形作家マックス・ビルの作品を知りました。自分はその頃、大学で工業デザインを学びたくて、受験用のデッサンや構成の勉強をしていました。バウハウスやその思想を継承したウルム造形大学を知ったのもその頃です。昨日、モンドリアンの幾何学的抽象絵画についてブログに書きましたが、その先端たるマックス・ビルのことを思い出し、今日のブログに書いている次第です。マックス・ビルは数学的な造形思考を推進したマルチアーティストで、彫刻作品は箱根の彫刻の森美術館で見ることができます。それは石の角柱を組み合わせた巨大な作品で、野外の木々の間に置かれています。感情的表現を一切排除した作品は、自然の中で人間の理知を主張しているかのようです。マックス・ビルの仕事で知名度が高いのは時計のデザインです。簡潔で機能性を重視したデザインは現在でも古びることがありません。「我々は今、原点にもどり、創作による機能を追究するのだ。」というマックス・ビルの言葉通り、彼は必要最小限のデザインの製品化を実践したのです。