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目黒の「ベルナール・ビュフェ展」
昨日、目黒区美術館で開催中の「ベルナール・ビュフェ展」に行ってきました。昨日のブログに書いた通り、昨日は親戚の招待を受けたり、池袋に沖縄民謡を聴きに行ったりした一日でしたが、昼の僅かな時間を使って、目黒にも足を運んだのでした。ビュフェは自分にとって御馴染みの画家です。御殿場にあるビュフェ美術館には数回行ってるし、それ以外にもギャラリーで絵画や版画を観ているのです。それほど日本人にとってビュフェは身近な画家なのかもしれません。抑えたグレートーンの画面の中に、ささくれ立った黒い線で細い人物群像を描いた作品が、ビュフェ絵画の定番と言えるほど自分の印象に残っていて、そんな作品にまた出会えると思うとワクワクしてくるのです。果たしてビュフェ絵画の定番はやはり目黒にも来ていました。人物はそれぞれ孤独感を抱え、意思の疎通が無いような雰囲気が漂います。虚無感や不安感が画面を支配しているのです。今回の目玉は「木を植えた男」の著者として知られるジャン・ジオノとビュフェの交流を取り上げていることです。ジャン・ジオノの著書「純粋の探求」にビュフェが挿画を制作していて、2人のコラボレーションがそれぞれの主張するものに説得力を与えているように思えます。文学と美術がお互いを生かしている例は他にもありますが、今回は上質できらりとした光る世界を見せているような感想を持ちました。