Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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実家の柿の木
朝は6時に家を出て、仕事の帰りはすっかり日が暮れて夜になっています。週末に工房で紅葉しつつある木々を見ることはあっても、普段は職場にいて秋を感じることが少なくなりました。朝晩寒くなって夜明けや日暮れが早くなったことで通勤途中に季節を感じることはありますが、子どもの頃みたいに山野を走り回ることもなくなって季節の移ろいを感じることはなくなりました。実家には樹齢100年以上の柿の木があります。昔はどこの農家でも見られた柿の木ですが、次第に柿の木も姿を消して、田畑の開発でニュータウンが出来ています。実家に行くと実をたわわに実らせた柿の木が今でも健在です。自分の幼い頃は柿が菓子代わりで、竹の先端を割った道具で柿をもぎ取ったものでした。今は実家に母が一人いるだけなので柿を取る人もなく、熟れた柿が下に落ちて毎朝母が掃除をしているようです。代々受け継がれてきた柿の古木。秋色に染まる今だからこそ風情を楽しみたいと思うのですが、余裕が持てない自分は灰色の時間を生きているとさえ感じるこの頃です。