Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 「発掘~地殻~」の木彫開始
昨年発表した「発掘~混在~」は厚板にレリーフ状の彫り込みを入れた直方体を作り、それを6点縦に並べて屏風仕立てにしたものです。今回の「発掘~地殻~」も屏風仕立てにしようと考えています。ただ厚板は使用せず集積材を使います。つまり無垢の木材で、そこに彫刻をしていこうと思っているのです。陶彫部品が甲羅を纏った生命体のようなモノになったので、根を張ったような大地を木彫で表そうとしています。まず、屏風の1点目は陶彫部品が出来上がっているので、そこの木彫に今日から取り掛かりました。鋸を引き、大きめの鑿で余分な部分を削ぎ落としました。まだ荒彫りまでいかず、カタチを彫り込むことも出来ていません。やっと木彫まで工程が進んだのですが、作業を始めてみると木彫は木彫なりの時間が必要で、暫し唖然とした後、焦る気持ちが湧き上がってきました。決して今までもサボッていたわけではないのですが、思わず図録撮影の5月までの時間を計算してしまいました。今回は砂マチエールはありませんが、木彫の彩色は考えています。陶彫も仕上げていない部品が数多い中、木彫も始めざるを得ない状況になって、幾度か困難を乗り越えてきたギリギリの感覚がようやく芽生えてきました。こんな綱渡りを10年も続けているのです。背中を押されて煽られるような感覚。この張り詰めた緊張なくして創作は有り得ないと自分に言い聞かせながら、苦しまぎれの全体構成の船出となりました。