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映画「アーティスト」について
映画を観に橫浜のミニシアターに私はよく出かけますが、かつて観たかった映画を見逃し、残念と思っていたところにテレビのBS番組で取り上げられ、ラッキーと思うことがあります。2011年制作の映画「アーティスト」もそうで、現代にも関わらず敢えてモノクロで、しかもサイレントとして制作された映画であるというユニークな企画に惹かれました。2012年のアカデミー賞受賞作にもなっていて、映画本来の面白さを原点から考えようとしていることが、この映画を観ていて感じたところです。映画の中の時代は1927年から32年で、舞台はハリウッドでした。技術革新があってサイレントからトーキーに移行する映画産業が、観衆の心を掴んでいた背景があり、サイレントに固執したばかりに没落していくベテラン男優と、トーキーで躍進していく若手女優を中心に物語が展開していきます。映画は音声なし、音響が流れているだけの設定にも関わらず、微妙な心理表現が出来ているのは、俳優陣の優れた演技力かなぁと思いました。表現の原点に戻るということが私は大好きなので、「アーティスト」はそういう意味でも自分のツボに入ってきた映画でした。