Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 昨夜のライブ雑感
週末になり、朝から工房で制作三昧でした。若いスタッフが2人来ていて、いつになく工房は賑やかでした。私は昨夜遅くライブに行った関係で疲れが残り、作業は今ひとつ乗りませんでした。昨夜は家内の従兄弟がライブに出演することがあって、横浜の中心地にある地下のライブハウスに出かけたのでした。家内の従兄弟は仕事をしながら、若い頃よりバンドを組んでロックから弾き語りまでやっています。彼は20代の頃にアメリカに学んだ経歴があって、自作の歌は英語が多いのです。英語の方が音が取りやすいのかもしれません。19時過ぎから始まったライブでしたが、彼の前に3組の人たちが30分程度演奏を発表していました。ギター1本で歌うシンガーや3人編成のロックバンドもあり、音楽のジャンルに幅がありました。彼はドラムとギターの人を従えて、持ち前の歌を披露していました。ライブハウスは、時として爆音で耳に後遺症が残るのではないかと思う演奏があります。自分も若い頃は爆音に身を投げ出して鬱憤を晴らしていた時期がありましたが、さすがに今は違います。それは音の羅列であって音楽ではないと思うようになったからです。歌であれ楽器であれ、演奏は音だけが聴こえてはいけないと思うのです。音が紡ぐ空間が広がって欲しいと願っています。音楽を聴いているのに近景や遠景を感じさせる空間、つまり楽想ですが、どんな音楽のジャンルであれ、そうした心地よさを感じさせるものが欲しいのです。造形美術と異なるのは、音楽は時間芸術で、それは人間の脈拍と関係するリズムがあることです。さらにピアノッシモからフォルテッシモまでの抑揚、それらが縦横無尽に繰り出される演奏力に観客は高揚を覚え、演奏者としては説得力を持つことになると考えます。最近の従兄弟の演奏に漸く説得力がついてきたと私は思っています。彼のリズム感と歌詞の間の取り方で、小さなライブハウスに収まりきれない空間が広がっていきました。