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note

「シーレの人形」新聞記事より
今朝、職場に届いていた日本経済新聞に興味のある記事が開催されていたので、NOTE(ブログ)で取り上げることにしました。人形作家宮崎郁子氏による記事で、前書きとして「1890年、ウィーン近郊に生まれた画家エゴン・シーレは早くから絵の才能を認められ、28歳で亡くなるまでに多くの名作を残した。私は1995年に画集を見て作品に一目ぼれし、以来、彼の絵に着想した人形を作り続けている。」とありました。シーレは独特なポーズをした人物画で国際的にも知名度がある夭折の画家です。それを立体化していく着想は、面白いけれど困難がつき纏うんじゃないかと思いました。こんな一文があります。「現実にはあり得ない程ねじ曲がった体。時にうつろ、時に挑発するようなまなざし。全てを再現したかった。~略~2次元の絵を立体にするので、描かれていない部分は想像で補う。不思議なことに、デフォルメされて違和感を覚えていたポーズでも、立体に起こすと自然につながる。高いデッサン能力に基づいて、絵が描かれていることを実感した。」へぇ、やはりそうなのか。シーレのデッサンは個性が際立つけれども、基本となる形態把握は優れていると常々思っていました。立体にすると自然な肢体が確認できると言うのはとても良い発見だと思いました。シーレはデッサンを美術学校で修得したのでしょうか。そうだとすればシーレが、私と同じウィーン美術アカデミーに一時学んでいたことが、ちょっとした私の自慢になるわけです。記事で知ったことですが、シーレの絵によく登場するクルマウのアトリエは、現在はチェコにあり、宮崎氏はここに1ヵ月滞在し、作品を制作する機会があったと言うのです。これは素晴らしいことで、夢は長年思い続ければ叶うものだなぁと思いました。