Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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窯の起動中に展覧会巡り
今日は家内と東京の展覧会に行く予定でいました。工房での作業が気になるところですが、作業を休む口実として窯入れをすることに私は決めています。窯で焼成中は他の電気は使えず、自然光での作業は厳しいものがあるからで、こればかりは仕方がないと思っています。昨日は乾燥が進んだ陶彫立方体8点を仕上げ、化粧掛けをして窯入れをしました。今朝は温度確認のために工房に行きましたが、窯が無事稼働していることを見取り、午前中から東京に出かけました。最初は上野の東京都美術館で開催している「モダンアート展」に行きました。私と同じように教職に就きながら油絵を描いている人がいて、彼から案内状が届いていたのです。彼の作品は白を基調とした画面に部分的に色彩を盛りつけたところがあり、その中に金属を貼っている箇所もありました。画面内に漂う緊張感が以前より増して、内包する精神性が深くなっているように感じました。同じ二束の草鞋生活を送っている人が創作に頑張っている姿を見ると、こちらも勇気づけられます。上野公園はまだ桜が残っていて、多くの観光客の姿がありました。次に向かったのが東京駅八重洲口から歩いて数分の場所にあるアーティゾン美術館で、ここで開催している「ブランクーシ展」を見てきました。彫刻家ブランクーシは、度々NOTE(ブログ)に登場しますが、現代彫刻はまさに彼から始まったと言ってよいほど美術史に名を残している巨匠です。貴重な作品が多い中で、ひとつの美術館でよくぞこれだけの作品を集めることができたなぁと思っています。私は美術史の観点をもってブランクーシを見ているのですが、家内はその背景を知らないので、現代にあっては当たり前になった抽象彫刻を、「何故そんなに有難がるのか」と私に言ってきました。私は彫刻史を丁寧に説明し、現在の私の作品が在るのはブランクーシのおかげなのだと答えました。詳しい感想は後日改めます。今日は充実した一日を過ごしました。