Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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三連休 大きな新作が佳境
昨日はいろいろな用事があって、制作時間が充分確保できず、その分を今日はやや長めの制作時間を取って、制作工程の辻褄を合わせました。午前9時から午後5時までの8時間、工房に篭っていました。昨日降った雪は積もるほどにはならず、今日は若干暖かかったので、雪の景色はどこかへ消えてしまいました。工房の窓から梅が咲いているのが見えます。春が待ち遠しいこの頃です。暖かいと言っても工房内の寒さは相変わらずで、小さなストーブで手を温めながら、陶土に対応しています。2つの塔が隣接する大きな新作では、塔にあたる陶彫部品の焼成が全て終わりました。陶彫部品33個で形成する2つの塔です。多少修整を必要とする部品もありますが、それは追々やっていきます。現在は2つの塔を床で繋ぐ陶彫部品を作っています。樹木の根のように這っていくので根の陶彫部品と呼んでいますが、成形と彫り込み加飾が既に7個終わっていて、乾燥を待っている状態です。大きな新作が佳境を迎えたと言ってもいい状況だろうと思います。陶彫による集合彫刻は20年以上もやっていて慣れているとは言え、新作の様相がその都度異なるので、いつまでたっても気楽に制作できず、常に全力でやっています。その大きな部分を占めるのが焼成です。窯入れをしなければ完成しない陶彫は、他の素材に比べて制御の難しい表現方法で、最後の最後で作者の手を離れて、窯内にいる炎神に全てを託すのが、技法の上で難しいところであり、また面白いところでもあります。これがあるからこそ、陶土を均一に練らなければならないし、一定の厚みのある成形をしなければならないのです。タタラはそのための準備です。陶土を紐にして裏側補強したり、彫り込み加飾を施すのは、それぞれの陶彫部品を補填したり、変化を齎せたりするためです。彫刻作品としてカタチを考案する際に、こうした制約があったり、手間が掛かるのは最終的に作品を高温度で焼成するためなのです。学生の頃、人体塑造をやっていた時期を経て、私はずっと陶彫に関わってきました。20年以上も飽きずに作業しているにも関わらず、まだ陶彫制作の至らなさや可能性を信じている自分がいます。先日のNOTE(ブログ)に創作活動は始まったばかりのような気がしていると書きました。本当にその通りで、日々創作が新鮮な感覚を生み出しているのが私自身には驚きでもあるのです。