Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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12月RECORDは「円環の風景」
「~の風景」と題名をつけるのは今月が最後ですが、はたして風景という付加した題名にどのくらいの意味があったのか、自分で考えておきながら疑問が残ります。今までも風景を想定したRECORDを作ってきたので、今年が特別なことではないなぁと感じていたのです。ともかく風景シリーズとしては最後になるもので、「円環の風景」という題名で今年を締め括ることにしました。円環と言うモチーフは、私の作品の中では頻繁に出てくるカタチです。しかも正確な円形ではなくて、どこか歪んだ表現にしています。正確な円形は完成されていて、隙を与えてくれないし、そこに造形を施すことを拒んでいるように私には感じられるのです。円環は中心にぽっかり空いた空間があるだけで、輪廻転生を思わせるカタチを連想するためイメージを広げられます。未来永劫生まれ変わりを繋いでいくイメージは、自分には幸福を齎すものとしての認識があり、おそらくこれが私の作品の中に頻繁に出てくる要因ではないかと思っているところです。私はイメージ上で、終息したり終焉を迎えるのが好きではありません。留まるところを知らず、永遠に繋がっていくカタチを創造していきたいのです。リアルな人生では加齢による身体の劣化や精神の衰えがありますが、イメージではそこから自由になり、若返りの脱皮が出来たらいいなぁと願っていて、不老不死願望を円環に結びつけようとしているのかもしれません。RECORDは一日1点ずつ制作していくノルマがあります。時に下書きだけが先行して、残された仕上げに喘ぐことが少なからずありました。そうしないように普段から一日1点の完成を心掛けていきたいと思っています。