Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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春分の日 墓参り&陶彫制作
今日は週末でもありますが、春分の日です。春分の日はそれぞれの仏教宗派で「春季彼岸会」が行われ、墓参りをする人も多いようです。夏にあるお盆は先祖の霊がこの世に戻ってくるのに対し、お彼岸はこの世から浄土へ近づくための期間と言われています。昨年私の母が他界したこともあって、今日は菩提寺である浄性院に墓参りに行ってきました。まだ両親が健在だった頃、私はあまり墓に行くのが好きではなく、墓参りに行かないこともありました。あんなに面倒だった墓参りが不思議なほど身近になったのは両親が亡くなっていることが大きいと思いますが、私の加齢も加担しているように思います。菩提寺を訪れると心が穏やかになるのが、以前の私からすれば信じ難い心境の変化と言えます。死が確実にあることを身近に感じられる今は、その反動としての創作活動が私には存在していて、いつしか彫刻作品に魂を込めたいと感じるようになりました。死を意識するからこそ生命を謳歌することは人間にとって永遠のテーマかもしれません。20代の頃、ウィーンに暮らしていて、そこで観たグスタフ・クリムトの絵画に、死と生命の具体例を見取ったように、未来永劫生きていけない自分が今何をなすべきか、私の頭を過ぎってしまいました。午後になって工房に出かけ、陶彫作品に彫り込み加飾を施していました。土曜日はウィークディの疲れが残り、身体の動きが緩慢でしたが、それでも陶土に触れていると精神的な安定を得られるため、今日は夕方まで陶彫制作をやっていました。明日は複数の人に声をかけていて、作業場にある箱詰めされた作品をロフトに上げる作業を行います。工房の整理がそろそろ気になっていて、4月以降は私がコツコツ整理を行っていく予定ですが、明日は若い人たちに手伝ってもらうつもりです。