Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 陶彫制作を続行
4月に入って初めての日曜日ですが、今日のところは通常通りの制作時間で陶彫制作を続行しました。先月末で二足の草鞋生活を解消した私は、もう少し余裕を持って制作が出来るのですが、習慣というか、現状保持が気分的に楽なのか、今日は朝9時から夕方3時までの6時間を工房で過ごしました。今日は昨日作り上げた陶彫成形2点の彫り込み加飾を行いましたが、彫り込み加飾は時間がかかるので、2点同時に作業するのは不可能でした。私はつくづく陶土と向き合っているのが大好きで、暫し時間が経つのを忘れていました。ウィークディの仕事がなくなり、もう学校運営を考えなくてよいという安堵感もあって、陶彫の世界に埋没できたのかもしれません。これは今まで勤勉に働いてきた自分に対する褒美と考えてもよいと思いました。もちろん創作活動は創作なりの難しさがあって、そこを極めていくのは大変なものですが、これからの人生はそこに特化してやっていけばよいと考えれば、思考の整理が出来て、私にとっては生き方の単純化に繋がるものです。単純な思考回路になっても芸術の奥は深く、果てしない世界が広がっているように思えます。彫刻とは何か、モノが存在するとはどういうことか、その存在によって鑑賞した人にはどんな意識変革が期待できるのか、そうしたあらゆる哲学をそこに込めて作品を作っていくものだと私は考えていて、芸術という茫洋とした海に、心もとない櫂で舟を漕ぎ出していくイメージなのです。舟を漕ぐイメージは私のコツコツとした制作姿勢に通じるもので、時に私の舟は笹舟のように波間に翻弄され、大海を把握するのに人生はあまりにも短いなぁと感じてしまいます。追々日々の制作時間のことも考えながら、舟を漕いでいきたいものです。明日も工房にやってきます。