Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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東京の展覧会を巡った一日
今日は工房での作業は止めて、家内と東京にある美術館に出かけました。コロナ渦の影響で最近ではネットによる予約が一般的になっていて、入館時間も決められています。今日は2つの美術館、3つの展覧会を巡りましたが、一日中工房に行かない日とあって、昨日は乾燥の進んだ陶彫部品2点に仕上げと化粧掛けを施し、窯に入れておきました。今日一日は、工房では焼成のために他の電源が使えなくなるのです。さて、今日巡った展覧会ですが、朝9時に自宅を出て、まず木場にある東京都現代美術館に向かいました。そこで開催されている「ライゾマティクス_マルティプレックス」展と「マーク・マンダースの不在」展を見てきました。東京都現代美術館は久しぶりにやってきました。地下鉄の清澄白河駅から歩きましたが、途中に深川資料館があってレトロな町並みが再現されていました。「ライゾマティクス_マルティプレックス」展はテレビで紹介されていて、デジタル・アートの方向性が興味深くて、是非見てみたいと思っていたのでした。彼らは設立15周年を迎える団体で、アーティストやエンジニア、建築家、研究者たちで構成し、美術館では初になる発表をしているのだそうです。アナログなオブジェとデジタルな光と影が織り成す不思議な空間を体験しました。詳しい感想は後日改めます。同館では巨大な彫刻を展示していた「マーク・マンダースの不在」展もやっていて、塑造と木材の構成による始原的な面白さを改めて見せられて、私の心は浮き足立ちました。よくもまぁ、こんな大きな塑造作品をオランダから持ち込んだなぁと思いましたが、土の色に彩られたブロンズ像は、あたかも今まで粘土で塑造されていた現場の臨場感があって、西洋美術として遠い過去から伝承されてきた具象の様式美がずっと凍結されてきた雰囲気を感じました。この展覧会の詳しい感想も後日に改めます。今回の2つの大掛かりな展覧会の図録は後日発送されることになっていて、ギャラリーショップでは注文を受け付けていました。図録が届いたら、それを読みこんで改めてNOTE(ブログ)に起こそうと考えています。次に向かったのは東京国立近代美術館で、ここも久しぶりに訪れました。開催していたのは「あやしい絵展」で、これはポスター等の広報によって知り得た展覧会でした。私たち日本人は微妙な翳を宿した表現が好きなのではないかと思っています。私たちはネットで予約をしてきましたが、ウィークディにも関わらず、かなり多くの人たちが鑑賞していたので、日本が元々陰湿な風土を抱えていて、そこに眠る情念を擽られることを企画した展覧会だったように思いました。退廃的な雰囲気は誰もが一度は好きになる面を持っていて、そうした絵ばかりを集めた展覧会はなかなかの入場者数を獲得するかもしれないと思いました。同展の詳しい感想も後日改めます。今日は2つの美術館、3つの展覧会を巡り、充実した一日を過ごしました。