Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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大黒柱がやってきた日
先日から実家の解体工事が始まっていて、私は実家の構造を支えていた大黒柱を所望していました。その大黒柱が今朝工房にやってきました。解体業者3人がかりで小型トラックに乗せて運ばれてきましたが、大黒柱が2本、そこに横に組まれていた大柱が1本あって、それぞれ2mに切断されて工房に置かれました。柱は合計6本ありました。どれも一人では動かせないほど重く、ホゾがあったり溝が彫り込まれていて、それだけで大変な存在感です。これをどのような立体作品に仕立てていくのか、私は暫く考えていきたいと思っています。相原の実家は私が生まれた時には既に現在の場所にありました。最初は藁葺きの屋根だったそうですが、その上をトタンで覆い、さらに私が小学生の頃にリフォームをしました。完全な建て替えではなかったので、構造体はそのまま残されていたのですが、玄関から内側に伸びた土間がなくなり、隣接していた家畜小屋を潰して部屋の増設をやりました。台所や五右衛門風呂も薪で焚くことは止め、近代的なものに変わりました。土間に床が張られて靴を脱がなくても室内を往来できるようになりました。屋根は瓦になりました。関東大震災では鍋に入れていた味噌汁が大きく揺れたと祖父母が話していたので、その頃には実家は既にあったのでしょう。実家がいつごろ建てられたのかは、私が聞きそびれてしまったせいで定かではありません。そんな時代の大黒柱なので、歴史を背負い込んでいるのは確かです。柱に妙な細工はせず、そのまま活かしていく方法を考えようと思います。ただし、大黒柱を眺めていると創作意欲が沸き立ってくることがあります。きれいに掃除して工房の守り神にしてもいいかもしれません。