Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 女子美の卒業制作展へ…
工房に来ている高校生に女子美術大学の工芸学科に進学を決めている子がいます。私の教え子には女子美術大学へ進学した子が多く、今回の卒業制作展だけでなく、芸術祭にも毎回足を運んでいます。相模原公園に隣接する同大は緑に囲まれた美しい環境の中にあって、こうした恵まれた施設で学習できる幸せが女子美術大学にあると私は思っています。芸術活動には男女区別は存在しないので、展示された作品を見ていても性差はまるで感じませんでした。今回の卒業制作展では日本画と工芸に優れた作品が多かったという感想を持ちました。工房に来ている子は3週間後にはここに通ってきます。染織専攻予定の彼女の眼には染織の大きな作品群がどう映っていたのでしょうか。食い入るように眺めている彼女の大きな瞳に、静かな意欲が灯っているように私には感じられました。ここでの4年間は、思いきり充実して楽しんで欲しいと思います。自己と向き合うことを学べる大切な時間です。女子美術大学では今日の午後は卒業式もあって、昼ごろから袴姿の女子大生たちがちらほら現れました。保護者に付き添われた彼女たちは、ほぼ全員が袴姿で、麗しさを競い合うような艶やかさでした。現在の女子大学の卒業式はこんな感じなんだと改めて思い、昔と比べると贅沢な雰囲気が漂っているなぁとため息がでました。何回かNOTE(ブログ)に書きましたが、美術系の大学は表現活動を通じて自己を見つめるには最高の環境ですが、ずっとそこにいるわけにはいかず、学生はやがて社会に出ていきます。デザイン業界初めさまざまな仕事は決して甘いものではなく、彼らは幾度となく挫折を乗り越えて生きていく破目になります。アートという夢心地が消えると、世知辛い現実が見えてくるのです。頑張れ!とエールを送りたくなるのは、私も経験した壁があったからです。それは工房に出入りしている彼女にも言えることです。そんな思いに駆られながら卒業制作展を後にしました。