Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 3月最後の週末に…
3月最後の週末を迎えました。昨年は公務員退職前だったので二足の草鞋生活最後の週末と謳っていましたが、今となってはウィークディも週末も変わらない日々になっています。それでも従来の習慣をすぐに変えられるものではなく、週末には特別な感じがあります。このところ週末のNOTE(ブログ)には1週間分の制作状況を書いています。今週も毎日工房に通い、相変わらず制作三昧でしたが、月曜日には後輩の彫刻家の写真撮影を工房で行いました。その日も工房で制作をしていましたが、撮影のことが気になって作業は捗りませんでした。それでも新作の大規模作品の土台加工を先に進めていました。土台は厚板を並べ、そこに三角形の文様を刳り貫いています。厚板は三層になる計画で、今週は二層目の厚板に下書きを施しました。三層とも周囲が崩れかけた状態を作っていて、昨年のような円形に並べることはしません。土台の上に置く陶彫部品も有機的な形態で崩壊した部分を作っています。欠損した部分があった方が空間を広く見せられるように感じているので、新作は大規模作品も中規模作品も、さらに小品でさえ敢えて欠損部分を作っているのです。この欠損部分をどう作るのか、どこまで崩したら形態が保てるのか、これはかなり面白い創作行為ではないかと考えるようになりました。美術館や博物館にある古代の遺物は、偶然欠損した部分があり、そこに美的価値を見出して私たちは鑑賞しているわけですが、欠損部分に広大な空間を感じ取り、完結しない美しさを味わっているのです。シンメトリックな造形に飽きてしまうと、バランスを欠いた造形に活路を見出すのが、従来の美術史であろうと私は思っていて、個人ではピカソが顕著に破壊と創造を繰り返していました。明日は法事があって、ひとまず制作は出来ませんが、来週も頑張って創作活動をやっていくつもりです。