Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 鑑賞充実の1週間
週末になりました。今週を振り返ると、前半は新作の補填作業を行っていましたが、後半には映画館に行ったり、美術館に行って、かなり楽しんで過ごした1週間になりました。新作は何とか裏面塗装が完了したので、そろそろ梱包に入ろうかと思っています。二足の草鞋生活を送っていた頃は、週末になると創作活動一本になり、こんな生活をずっと送りたいと渇望していましたが、いざ創作活動ばかりの日常になると、身体を使う作業だけでなく精神面も辛くなり、自分が望んでいたことなのに何て贅沢な悩みなんだと自らを戒めていました。よく考えてみれば経済面では支えにならない創作活動というものは、実は肉体も精神も自分を追い込むことがあり、決して楽ではないことが判明しました。これで食えないから趣味としようと考えるのは短絡的であって、何かちょっと違うなぁと思っています。魂の産物としての造形物をゼロから作り上げる行為は、食える食えないに関わらず、自分をギリギリのところにまでもっていかないと出来ない行為だからです。ある意味ではシステマティックな労働より厳しい課題を己に課していると言ってもよいのではないかと思います。今週は映画鑑賞や美術鑑賞もあって充実していました。映画「シン・ウルトラマン」は現代風とレトロ感が混在したサービス満点の娯楽大作でした。美術館で開催していた「ピカソ展」や「牧歌礼賛/楽園憧憬」展は、造形表現の振り幅の大きさを物語る表現領域があって、私は眠っていた感覚を刺激されて充分楽しめました。自分が普段やっている制作は、非日常の世界を作りだそうとして奮闘しているわけですが、鑑賞も非日常的な世界観があって、非日常のストレス解消には、それを超える非日常性が必要なのかもしれないと思いました。非日常の世界を知ることは麻薬的な魅惑があり、創作活動をやっているということは、それに憑かれている者であろうと思っています。食える食えないをたいした問題にしないのはその証拠です。そんなことをボンヤリ考えた1週間でした。