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映画「キングダム 運命の炎」雑感
映画「キングダム 運命の炎」は実写版映画としては3作目になります。私は漫画やアニメを日本が世界に誇る文化として捉えていて、今や私も漫画「キングダム」の虜になっています。これは紀元前の中国・春秋戦国時代を描いた物語で、後の始皇帝になる若き王と、天下の大将軍を目指す元戦災孤児を主人公としています。大筋は司馬遷が著した史記を参考にしていますが、細かい部分は創作によっていて、多くの魅力的な豪傑が登場し、歴史的なドラマを紡いでいくのです。過去に「キングダム」のⅠとⅡを私は観ていて、日本の映画もハリウッド並みのスケールになったのかと感心しました。映画「キングダム 運命の炎」は超娯楽大作なので家内を誘って、エンターテイメント系の映画館に足を運びました。封切られて数日なのに、かなり多くの観客が入っていました。映画の内容は2つあって、前半は若き王が、秦の敵国である趙で虐げられて育った幼少期を描いていました。そこに女性の闇の商人が登場し、彼女は若き王を秦に逃がすために命を張るのです。彼女によって人間性を取り戻した若き王。これが人との争いを鎮め、中華統一を目指す動機となったのでした。それを若き王から聞いた大将軍の下で、趙との馬陽の戦いに挑む主人公。彼は百人将になっていて、大将軍によって「飛信隊」という隊名を戴きます。規模の大きい戦いの中で「飛信隊」は別動隊となって、敵将の首を討ちに行くのでした。「キングダム 運命の炎」は終始熱量の高いシーンが続いていて、楽しめる要素が満載ですが、漫画で言えば現在69巻まで刊行しています。実写版映画としては、まだ物語のさわりに過ぎず、この映画は今後いったいどのくらいが連作されるのか、俳優も有名な人ばかりでスケジュール調整も大変だろうと、観客が要らぬ心配をしてしまうほど、物語は遅々として進まぬところが気になります。次回作品に期待を膨らませるような終わり方をしていたので、観客は多少消化不良を起こしたかもしれません。でも思い切り楽しめた歴史絵巻のエンターテイメントでした。