Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

週末 RECORDの絵具補填
週末の話題として創作活動のことを中心に据えています。今日は平面作品のRECORDを取り上げます。一日1点、ポストカード大の小さな平面作品を作り続けている私は、これをRECORDと称して文字通り一日の記録を行う創作行為としています。日付のある陶彫立方体を作り続けてから、RECORDとの関連性を重視したものを発想したことで、畢竟、立体と平面の表現の相違を考えるようになりました。同じデザインにしても立体と平面の在り方がまるで異なり、無理して関連を持たせることが必要かどうかを自問する時もあります。鑑賞する立場からすれば、同じデザインが立体でも平面でも存在していることは面白いことであるようで、個展に来た人の中には確認する人もおりました。立体は素材を介しているので、甚だ不自由な表現ですが、それなりに空間を占めるので、実際に存在するものとして触知的な面白さがあると言えます。平面は自由な反面、存在ではなく存在感になってしまうので、幻視的な面白みがあり、そこに色彩を加えているので、立体とは別の世界が創出されています。色彩を意識することをRECORDの中で私は重視しています。現在は色彩にアクリルガッシュを使っていますが、平塗だけではなくモダンテクニックを用いてあらゆる効果を狙っています。2007年から制作しているRECORDなので、大量に購入していたアクリルガッシュが足りなくなる事態を招いています。私が最近好んでいるのは苔色とか棕櫚色などの和製色彩で、それらを含めて20色ほど足りない色彩をリストアップしました。東京の博物館に行った帰りに横浜駅に隣接している画材店に寄って、それらを購入してきました。高校時代、私は色彩構成が苦手で、工業デザインを専攻することに躊躇いがあり、彫刻に専攻変えをした経緯があります。そんな私が毎晩色彩を用いているのは運命の皮肉としか思えません。不思議と色彩に苦手意識がなくなり、今では色彩の組み合わせを楽しめるようになりました。色彩感覚は鍛えられるものなのかなぁと思っています。