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古寺巡礼「金堂壁画」追記
昨日のNOTE(ブログ)に「古寺巡礼」(和辻哲郎著 岩波文庫)の「法隆寺金堂壁画弥陀浄土図」についての記事を載せましたが、「法隆寺金堂壁画弥陀浄土図」についての追記をしたいと思います。本作品は昭和24年(1949年)1月26日法隆寺金堂から出火した火災によって、国宝十二面壁画の大半が焼損しました。出火原因は今も不明です。釈迦三尊像等の仏像は他の場所に移座していたために焼損を免れたようです。因みに本作品はインドのアジャンター石窟群壁画、中国の敦煌莫高窟壁画と並んでアジアを代表する古代仏教壁画として有名で、この事件は日本人としては残念でなりませんが、本作品は早くは1852年より模写が始まっていました。その後も度々模写が行われ、フランスやイギリスの博物館にも模写が収蔵されているようです。また、出版社が1935年に原寸大写真を撮影しているので、本作品が焼損されてしまった今となっては、これが貴重な資料になっています。本格的には1967年から14名の日本画家とそのスタッフたちによって模写が行われ、金堂の壁に設置されています。昭和30年(1955年)1月26日には文化財防火デーが定められました。その趣旨は「1月26日は、昭和24年に法隆寺金堂が罹災した日にあたり、また火災の多い時節でもあるので、毎年この日を文化財防火デーとし、全国的に文化財防火運動を展開して、文化財を火災から護ろうとするにある」というものです。文化財保護の観点からすれば、これは重要な取り決めだろうと思います。