2025.06.24
昨日、東京銀座8丁目のギャラリーせいほうへ自分の個展案内状500部を届けに行った帰りに、銀座1丁目まで足を延ばし、ギャラリーQで開催している「寿 直人の変な人…?」展を見てきました。これはしりあがり寿さんと竹中直人君の二人展で、漫画のような、また日常スケッチのような一見気楽に描いたように見える作品を多く展示していました。いわゆるヘタウマな表現ですが、私には持論があって、本当に絵が下手な人はヘタウマな表現が出来ないと考えています。二人とも若い頃にはがっちり写実表現を究めたはずです。それが証拠に二人の経歴に多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業という一文があり、実際に同大の入学試験は現在でも鉛筆デッサンと平面構成があり、高度な技法が求められています。私もそうでしたが自己表現を探る際に、高校時代まで頑張ってきた写実表現を自ら否定し、フラットな状態から自分を見つめ直すことをしたはずです。そこで見出した自己表現。しりあがり寿さんと竹中直人君の作風は似て非なるもので、それぞれが自分に対して正直な気持ちで描いているからこそ、何気ない個性が溢れ出しているのだろうと思っています。自分を見つめ直したことがない人は、どんなに巧みに描かれた絵であっても、誰かの絵に似ていたり、また技法が目立って自分が出てこない作品になっていることが多く見られます。「寿 直人の『個性的で』変な人…?」展は、軽妙洒脱で楽しい世界観を味わえて、私は満足しました。加えて、竹中直人君は高校の同級生で、高校時代に一緒に美大を目指して東京の予備校に通っていました。「がっちり写実表現」と前述したのは、私も竹中君の隣りにイーゼルを立てて競い合うようにデッサンをしていたので、彼の軌跡はよく知っているからです。さらに彼は俳優になり、映画監督をやり、イラストレーターとして展覧会を開催しているのですから、二刀流どころか多刀流ではないかと私は思っています。彼と今もつき合いがあるのは、共通項である自己表現活動をお互い行っている点にあるのだろうと思っています。