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「レオナルド・ダ・ヴィンチ」について・2
「芸術家列伝3」(ジョルジョ・ヴァザーリ著 田中英道・森雅彦訳)の「レオナルド・ダ・ヴィンチ」について、幾つかに分けて気に留まった箇所をピックアップしていきます。今回は「モナ・リーザ」に纏わる箇所をピックアップします。「モナ・リーザ」は現在パリのルーブル美術館にあり、世界的に有名な絵画のひとつで、私も20代の頃、当地で見ています。本作が来日した時も上野に見に行きました。「レオナルドはフランチェスコ・デル・ジョコンドのために、その妻モナ・リーザの肖像を描くことになった。そして四年以上も苦心を重ねた後、未完成のまま残した。この作品は現在、フランスのフランソワ王の所蔵するところとなり、フォンテンブローにある。芸術がどれほどまで自然を模倣することができるかを知りたいと思う人があれば、この肖像によって容易に理解することができるであろう。なぜなら、ここには精緻きわまる筆で描きうるすべての細部が写されているからである。眼は生きているものに常に見られる、あの輝きと潤いをもっている。そして周囲には赤味を帯びた鉛色がつけられ、睫毛はまた繊細きわまりない感覚なくしては描きえないものである。眉毛は毛が肌から生じて、あるいは濃く、あるいは薄く、毛根によってさまざまに変化している様子が描かれているため、これ以上自然であることは不可能である。鼻孔の美しいその鼻はばら色でやわらかく、まるで生きているようである。口はその開き具合といい、また唇が赤で描き出されているさまや、顔色が真に迫っているところなど、色が着けられたのではなく、肉そのものと思われるほどであった。咽喉のへこみを気をつけて見る人には脈が打つのが見える。実にかくなる方法で描かれたこの絵は、すべての作家、いかなる才人をも戦慄させ、恐れさせてしまうということができる。彼はまたこんな工夫もした。モナ・リーザがたいへん美しかったので、彼女の肖像を描いている間、弾き、歌い、かつ絶えず道化る者をそばにおいて楽しい雰囲気をつくった。肖像画を画くとき、しばしば憂鬱な気分を絵に与えてしまうのを避けようとするためであった。レオナルドのこの作品には心地よい微笑があるが、そこからは人間的というより神的なものが見てとれる。そしてこれ以上生き生きとしたものはないほど見事なものである。」今回はここまでにします。