Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

「ミケランジェロ」について・2
「芸術家列伝3」(ジョルジョ・ヴァザーリ著 田中英道・森雅彦訳)の「ミケランジェロ」について、幾つかに分けて気に留まった箇所をピックアップしていきます。今回は彫刻の2大代表作が登場します。「ロヴァーノ枢機卿と呼ばれたフランスのサン・ドニの枢機卿に、かの有名な町(ローマ)に、この稀なる美術家の手による何か価値ある自分の記念を残しておきたいという気にさせたのである。そこで彼はミケランジェロに、大理石で丸彫りのピエタを制作させた。完成すると、それはサン・ピエートロのマルテ寺院のヴェルジーネ・マリーア・デㇽラ・フェッブレ礼拝堂に置かれた。すぐれた彫刻家、芸術家といえども、この作品に対して、その造形力や優美さで何かをつけ加えようという気にはならないし、また、苦労して繊細さや洗練度をもってつくり出す気にも、さらに、ミケランジェロがここで行なったような技量で大理石を仕上げる気にもならないだろう。ここには、彫刻術のあらゆる価値と力が見られるからである。そこにある美しいもののなかで、その神聖な布地を含めて、死せるキリストの姿自身が目につく。どんなに肢体の美しい、肉体の巧みなものも、この肉体の骨格の上にある筋肉や血管、腱などで巧みにつくられた裸体像ほどのものは見られないだろう。これほど死そのものといった死体が見られようとは思われない。頭部にはいとも甘美な雰囲気があり、腕、胴体、脚の結合結節には調和があり、手首や血管は巧みで、実際、茫然自失させられてしまう。」次の作品も名作です。「ミケランジェロは新たにそれを測り直し、この石材で適当な像が彫れるかどうかを調べ、シモーネ師によって不格好にさせられてしまった石材にその形を合わせるようにしてから、事業監督所とソデリーニにそれを願い出ることに決めた。彼らから、役に立ちそうもないというので、譲り渡されたのである。つくられるものだったら何であれ、そのままであるよりもよいだろうと考えたのである。なぜなら、砕けていたり、そんな風に台なしになっていたので、建築には何の役にも立たなかったからである。それでミケランジェロは、蝋製の模型をつくり、パラッツオの象徴として、手に投石器を持つ若きダヴィデの像を考え出した。ダヴィデが、民衆を守り、正義をもって彼らを統治したように、この都市を治める者は、勇敢に守り、正しく市を統治しなければならないためである。ミケランジェロはサンタ・マリーア・デル・フィオーレ寺の作業場で仕事を始め、大理石の周りの壁と台の間に仕切りを作り、誰も彼を見ることができないようにして持続的に仕事を続け、それをこの上ない完全性を備えた像につくりあげたのである。」今回はここまでにします。