2025.09.25
昨日、新作の第1回目の窯入れを行ないました。成形や彫り込み加飾が終わった作品は、乾燥用の作業台に置いてあって、窯入れの準備は整っていましたが、夏の猛暑の中では窯を焚こうという気が起こらず、第1回目の窯入れは今月後半になってしまいました。私の工房は電気の基本料金の関係で、焼成中は他の電気が使えず、作業はストップしてしまいます。それを利用して私はさまざまな展覧会に出かけていくのが定番になっています。窯入れが久しぶりだったので、こうした状況での展覧会巡りも久しぶりになりました。今日は東京上野にある東京国立博物館で開催されている「運慶」展と、東京都美術館で開催している「ゴッホ展」に行きました。鎌倉時代の仏師運慶の仏像を私は度々見ていて、懐かしい人に会いに行くような気分で出かけましたが、巨躯7体が並んだ東京国立博物館本館は、緊張感漂う壮麗な空間に変わっていました。思えば学生の頃、私は日本美術に退屈を覚えていましたが、運慶の仏像に西洋彫刻の趣を感じて、仏像が一気に好きになったのでした。言わば自分の日本美術開眼のきっかけを作ってくれたのが運慶だったのです。無著菩薩・世親菩薩の両立像に、私は思わずお久しぶりですと呟いてしまいました。詳しい感想は後日改めます。次に向かったのは東京都美術館の「ゴッホ展」で、平日にも関わらず混雑していました。日本人がゴッホが好きなのは分かっていたのですが、私にもゴッホに纏わる思い出があります。私が中学校1年生の時に、美術の授業で水彩による風景画の課題が出ていました。私は中学校の正門の近くにあった大きな樹木を描いていて、水彩絵の具を普通に塗らず、線を描くように何本も重ねるように色を変えて樹木を描きました。それを見て女性の美術教諭が、これはゴッホみたいと評してくれたので、その言葉で私は忽ちゴッホのファンになったのでした。そのやり方はその後うまくいかず、私のゴッホ熱は冷めてしまいましたが、私が大学生の頃に再びゴッホの絵を見て、骨太の人物像が描かれていたことで、その彫塑的な表現に惹かれました。輪郭をしっかり線描したのは日本の浮世絵の影響なのか、それとも印象派の延長として新たな表現を探っていたのかよく分かりませんが、私にとってゴッホは馴染みのある画家であることに間違いはありません。これも詳しい感想は後日改めます。今日は充実した一日でした。