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上野の「スウェーデン絵画展」
昨日は上野の東京都美術館で開催されている「スウェーデン絵画展」に行ってきました。展示された絵画を見始めてから、自分はスウェーデンの絵画史を知らなかったことに気づきました。在日大使のメッセージに「時代を超える普遍性と心に響く叙情性の両方をそなえた作品」とありましたが、どの作品も写実に立脚した深い情緒を感じさせてくれて、自然描写が好きな日本人体質に合った作品ばかりだなぁと思いました。展覧会タイトルに「北欧の光、日常のかがやき」とある通り、微妙な光の捉えが北欧ならではの色彩の妙を感じました。図録からその美術史を拾います。「『美術の物語』(※エルンスト・H・ゴンブリッチ著)は、過去75年にわたり世界中で親しまれてきた『美術の教科書』であるが、その19世紀、20世紀の章に出てくる北欧の画家はエドヴァルド・ムンクただ一人である。そのムンクも、ファン・ゴッホからドイツ表現主義への『様式』の変遷のなかで語られ、画家の母国ノルウェーの美術との結びつきには触れられない。このことは、伝統的な西洋近代美術史における北欧美術の『不遇』を端的に示す『証拠』として、近年の北欧の美術史家たちに、折に触れて批判的なニュアンスで言及される。~略~『モダニズムの勝利』に時代に、19世紀末から20世紀初頭の北欧美術はいくつかの例外を除いて、多かれ少なかれ不遇の時代を過ごしたが、今日では西洋近代美術の多様性を象徴するものとして受け取られている。個人コレクターの手によって国内に留まった多くの作品は、今日、スウェーデンを含む北欧各国の人々に、自国の優れた美術作品を身近に見られる喜びをもたらしているだろう。そしてそれらが映し出す独自の芸術の存在は、文化的な自尊心を育むよすがとなっている。」(萬屋健司著)今回「スウェーデン絵画展」で見た作品は、私の心に沁みていきました。20世紀初頭のパリで興った新しい芸術の潮流に巻き込まれずに、北欧の自然に根ざした冷静な作品群は、確かな存在感があるため見応えもありました。