Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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「ジャーナリズムの繁栄」について
「世紀末芸術」(高階秀爾著 筑摩書房)の「ジャーナリズムの繁栄」について、気に留めた箇所をピックアップしていきます。「ロマン主義の台頭してくる頃から、数多くの新聞や雑誌に美術の欄が登場し、ようやく本格的な美術ジャーナリズムが誕生するようになる。この状況が、19世紀末までずっと続くわけであるが、われわれの課題である世紀末の時代にいたって、それははっきりとした変質を示すようになった。それは一方では批評そのものに対する考え方の変化として、他方では、批評の発表形式の専門化としてあらわれた。」そのうち有能な批評家が現れます。「批評の独自性を強く主張したのは、青年批評家ボードレールであった。《私は最良の批評とは読んで面白くしかも詩的なものであると深く信じている。すべてを説明するという口実のもとに、愛もなく憎しみもなく、個性的気質をすっかり失ってしまったあの数学のように冷たい批評ではなくー美しい作品とは画家によって捉えられた自然であるがゆえにー良き批評とは、知的で感受性豊かな精神によって捉えられた作品であるべきである。したがってある絵についての最高の批評文は、例えばひとつのソネットやエレジーであることもできるだろう。》」美術批評を掲載した雑誌は、大衆向けの日刊紙や週刊誌とは違うものでした。しかもそれらに芸術家が作品を提供していました。「これらの雑誌のさらに重要な特色は、それらが単に理論主張の場であるだけでなく、同時にまた、画家、版画家たちの活動の舞台でもあったことである。多くの雑誌は表紙や挿図に特定の画家たちの協力を得、評論とあいまって芸術運動を促進して行った。多くの画家たちが、この時期には版画やポスターに強い興味を示したことも、雑誌の活動と無関係ではない。」今回はここまでにします。