2025.09.01
9月になりました。このところずっと猛暑が続いていて、果たして9月になってもこの暑さが続くとしたら、工房での陶彫制作はどうなってしまうのか、かなり心配です。陶彫制作は、全体像は予め決めているのですが、実際は手作業によって作品を修整するところがあり、その都度、その場で思考していきます。具体的な空間の中で、どのように作品化させた素材を存在させるか、それによって空間を変容させる装置が彫刻であると私は考えます。その思考部分は心地よい環境の中でやっていきたいと常々私は思っていて、それが蒸し暑い工房では無理があるように思います。頭がボウとして思考そのものがまとまりません。元来、芸術という論理が発祥したのはヨーロッパで、ギリシャあたりでは乾いた風土があり、エーゲ海からの風に晒されて、白亜の大理石に神の姿を彫り込んだのが造形芸術のはしりだろうと思っています。それ以前のエジプトにも彫刻はありましたが、芸術文化として論理を築いたのは西洋で、その後の量感としての立体把握は美術史に書かれている通りです。私の陶彫も彫刻である以上、そこを出発点としており、人体以外の表現を採用しているわけです。そこにも私なりの理論はあるのですが、乾いた風土が齎す構築性のある芸術思考が、日本の高温多湿な風土によって、構築性が徐々に平板なものになっていく危惧を感じます。日本の気候風土に合った陶芸は、どちらかと言えば平板な表現なので、私がやろうとしていることとは違いがあるのです。それでも次第に日本型の彫刻に染まっていくように感じているは確かです。早く涼風が立って、ヨーロッパの気候に似た季節になってほしいと私は願っています。今月は美術館や映画館に鑑賞に行きたいと思っています。私の座右の銘である「焦らず休まず」をもって、今月はゆっくり進んでいきたいと思っています。