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「ロマネスク美術革命」を読み始める
今日から「ロマネスク美術革命」(金沢百枝著 新潮選書)を読み始めます。ロマネスク美術は、師匠の池田宗弘先生がスペインに滞在していた頃に、同地に残るロマネスク美術を研究していて、その成果を文化庁に提出していました。当時、先生が描いたキリスト教関連のデッサンが多数あって、その勤勉ぶりに私は驚いていました。私自身、ロマネスク美術と言われて思いつく作品がなく、知名度としてはルネサンス美術より低いように感じていましたが、本書の「はじめにーロマネスクへの旅」にもそんなことが書かれていました。「ゴシック期やルネサンス期の美術にくらべると一般になじみが薄く、またいまだに評価も低いけれど、じつはロマネスク美術こそヨーロッパの美術の歴史のなかで非常におおきな転換点、ほとんど『革命』的な出来事だったのではないかと、わたしは考えている。古代ギリシャ・ローマ、あるいはルネサンス以降の近代美術のいわゆる名画・名作ばかりがヨーロッパ美術ではない。わたしたちは、美術作品を目のまえにしたとき、『名画スタンダード』とでもいうべき規準や価値観に、あまりに囚われすぎていないだろうか。」とある通り、西欧美術史の中ではロマネスクはゴシックに先行した様式であり、10世紀から12世紀のキリスト教を中心とした教会建築や壁画、彫刻に多く見られます。私も20代の頃にヨーロッパにいて、ロマネスク様式の堅牢な石造教会を訪ねたことがありましたが、印象としては質実剛健で象徴化されたキリスト像がずしりと気持ちに響いてきたのを思い出します。私は趣向として、どの様式よりもロマネスクが好きなのかもしれません。ロマネスク美術はカタチの大胆な省略があり、写実性よりも大衆に伝えたいコンセプトを大切にしているのが、現代美術に通じるものがあると感じているからです。本書が謳っている『革命』とは何か、ロマネスクがその後の美術史にどんな影響を齎せたのか、楽しみながら丁寧に読んでいこうと思っています。