Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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山菜の天ぷら
職場の人から山菜をいただいたので、家内が天ぷらにしました。山菜は後味が良くて大好きです。余裕があれば、山菜を採りにどこかへ出かけたい気分です。20代後半に滞欧生活をしていて、銀行口座に貯金がなくなり、住宅の中庭(ホーフと言います)にあった食べられそうな草を採って、天ぷらにした思い出が甦ります。ウイーンの森に「行者にんにく」を採りにいった思い出もあります。ビニール袋いっぱいに採った山菜で、しばらくは生活をしていました。同じウイーンにいた邦人版画家の先輩は、住宅の室内に土を持ち込み、そこでシソを育てていました。天ぷらだけではなく、おにぎりに巻いたシソが美味しかったことが忘れられません。山菜の天ぷらで、20代の頃の記憶がタイムトリップして、当時と現在の自分を比較してしまいます。時間が豊富で生活が苦しかった時代と、生活の保障がされていても多忙を極める時代。どちらの時代でも環境に逆らわずに自分は生きていたと思いを馳せながら、天ぷらを味わったひと時でした。