Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

工房で黙祷を捧げた日
昨年の今日は未曾有の東日本大震災に襲われ、一瞬にして私たちの意識が変わってしまいました。昨年は金曜日だったため自分は職場にいました。幸い横浜は被害は少なかったものの、テレビの報道を見るにつけ、やりきれない気持ちでいっぱいになりました。あれから1年が経ちました。復興支援や身の回りの危機管理等で職場はもとより自宅でも有事のときはどうするかを話し合いました。東京の美術館や画廊に出かけた時、ここで震災に見舞われたら帰宅難民だなと思うこともあります。今日の14時46分には工房にいました。7月の個展に出す作品を作っている最中でしたが、手をおいて黙祷を捧げました。FMラジオから命の尊さを歌うメロディが流れていました。現在作っている「発掘~混在~」は、明確に意図したものではありませんが、原発によって環境に不安を感じている心境が多少反映されています。「発掘」シリーズは、滞欧生活の終わりに欧州最古の遺跡を巡った印象がイメージの中核を成していますが、「発掘~混在~」を作り始めようとする時に起こった震災や原発事故を思うと、感情の襞のどこかに何かが引っかかっているのです。工房で黙祷を捧げながら、そんな考えが脳裏を過った一日でした。