Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

note

夜の制作は木材筆入れだけ
ウィークディの夜に工房に出かけると、外は静まりかえっていて僅かな音でも響きます。工房は植木畑に建っていますが、その周囲には民家が軒並み建っていて、騒音が出る電動工具はもとより、木槌で鑿を叩く音も迷惑ではないかと憚れるほどです。木材を鋸で引く音なら何とか大丈夫と思ったのですが、鋸による切断作業だけに限定することは工程上難しく、出来ることと言えば木材に筆を入れて彫り出すカタチのイメージを捉える下書きくらいかなぁと思っています。陶彫なら音が出ないので今まで遠慮なく作業を進めていましたが、木彫となると周囲のことを考えざるを得ません。ただ陶彫・木彫は臭いだけは気になりません。最後の工程で油絵の具を使いますが、臭いが外に出ることがなく自作は悪臭に関しての対策は必要ないと思っています。彫刻制作は騒音や悪臭で近所迷惑を考えなければならないし、素材に重量があれば作業方法を工夫しなければなりません。自分は厄介な表現媒体を選んだものだとつくづく思いますが、それを差し引いても彫刻の面白さに敵うものはないのです。