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映画「ラ・ラ・ランド」雑感
米アカデミー賞授賞式で珍しい誤報があった映画で、作品賞を逃したものの6つの賞に輝いた話題の映画です。昨晩レイトショーで、この現代版ミュージカルを観てきました。久しぶりに歌い踊るパワフルな映画を観て、楽しい高揚感を味わえました。夢に向かって邁進する若い男女、男セブはジャズピアニストで定番の演奏を放棄して店のオーナーと喧嘩、女ミアは女優志望でオーディションに落ち続けていました。お互いを励ます関係から恋が始まり、崖っぷちになったところでチャンスが訪れます。そこからお互いの心がすれ違うようになり、数年後2人が夢を叶えた代償として恋は破綻するといった物語でした。古き良き時代のミュージカルの要素を残しながら、物語の展開は現代そのもので、幻想と現実が入り乱れる構成もありました。私が注目したのはミア役のエマ・ストーンの気丈な演技で、顔の表情筋がよく動き、思わせたっぷりな演技が魅惑的でした。ミュージカル特有のダンスも自然に入ってきて、大袈裟なところはなく、全体的にチャーミングな印象でした。撮影の労力を感じたのは冒頭で始まる車の渋滞シーンの群舞で、数人のダンサーをクローズアップさせた長いカットは、見応えがありました。ラストの過去を振り返る幻想シーンの説明的なところがもっとあっさりでも良かったかもしれません。他のシーンで充分情緒は盛り込まれていたし、過剰演出も若干気になりました。いずれにしても出来栄えのいい映画であることに変わりはありません。この映画で活力を貰えました。