Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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小品に壮大なイメージを見る
工房の窯が一段落したので、今晩から電気を復活させました。先週末に小品を5点成形したので、それらに今日から彫り込み加飾を施しました。今晩は手始めに2点行いました。小品はただサイズが小さいだけで、イメージは大きなものと変わりません。鑑賞者がどう感じ取るか自由ですが、私は彫刻の大小に囚われずに壮大なイメージを描いています。そういうふうに感じてくれるかどうかは鑑賞者次第ですが、図録では小品を野外で撮影する意図はそこにあります。野外ではサイズがわからなくなる錯覚が生じることがあって、撮影された画像に楽しさを覚えます。小品を作っている時の自分の頭には、広い風景が浮かんでいて、そこに建造物が聳え立っているのです。頭で考える世界に酔いながら、陶土を付け足したり、削ったりしているのです。私は架空都市や心象風景を具現化しているので、鑑賞者が眼でその中に入り込み、遊んでくれることを大切にしています。ドローンで天空から眺めた大地に近づこうとしています。説明的な都市機能や風景の細かい情景は省略して、抽象化したカタチとして表象していますが、イメージは具体的なものが思い浮かんでいて、私はこの陶彫による集合彫刻を作り始めた若い頃から、ずっと壮大なイメージの虜になっていると言っても過言ではありません。高さ30cmの小品ですが、そこに鑑賞者が壮大な空気を感じ取ってくれれば作家冥利につくと思っています。