Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 早朝制作&4つの美術館散策
週末になって、今日こそは美術館に行こうと決めていました。計画していた大きな展覧会が3つ、加えて私と同じ二束の草鞋を履く職員が出品している公募展があって、今日一日で全てを回るつもりでいました。家内は演奏活動があるため、私一人で行くのならタイトなスケジュールでも何とかなると思っていました。ただし、陶彫の制作工程も厳しいので、早朝に工房に出かけ、タタラを作る等、明日の成形の準備もやりました。工房から帰って朝食を済ませ、朝9時に自宅を出ました。久しぶりに東京上野にやってきました。まず初めに見たのが東京国立博物館平成館で開催中の「名作誕生」展。これは中国の影響を受けた日本の名だたる絵師たちが、大陸の古典絵画から創作の糸口を掴み、名作を生み出していく状況を企画展示したもので、かなり見応えがありました。雪舟や若冲の大作があって圧倒されました。昨日から始まった企画展で、会場は思っていたほど混雑もなく、じっくり見ることができました。詳しい感想は後日改めます。次に行ったのが東京都美術館の「モダンアート展」。同じ職場で働く職員から招待状をもらって見てきました。いつも公募団体展に誘われて思うことは、僅かながら心に響く秀作があっても、表現したい動機が見つからない作品が少なからずあること、これはどうしたものでしょうか。マンネリズムなのかなぁと思いつつ、出品している職員の作品だけを確認して、その場を去ることにしました。それはどこの公募団体展にも言えることで、辛口評になりますが、本来は競い合って高めあう場なのに、馴れ合いが気になるのは私だけでしょうか。次に向ったのは千葉でした。千葉市美術館で開催中の「百花繚乱列島」展。これは全国津々浦々の江戸時代の絵師による展覧会で、地方に眠る才能を発掘できるかもしれないと思わせる企画でした。数人の地方絵師の優れた技法に目が留まりましたが、果たして今後脚光を浴びることになるのでしょうか。伊藤若冲も最近になって人気の出た絵師だったことを考えると、埋もれた才能が近々引き上げられることを切に願っています。これも詳しい感想は後日改めます。千葉駅前で遅い昼食を済ませてから、東京竹橋にやってきました。東京国立近代美術館で昨日から始まった「横山大観展」。夕方の時間帯だったので混乱無く会場に入ることができました。やはり圧巻だったのが絵巻「生々流転」の全貌が見られたことでした。4つ目の美術館となると移動中は足が疲れてヘトヘトでしたが、会場に入ると作品の持つ緊張感や震えるような空気に身が引き締まり、疲労を忘れました。これも詳しい感想は後日改めます。今日は公募団体展を除けば、日本画ばかりを鑑賞した一日でした。運筆や構成の妙に心が吸い込まれていくような感覚を味わいました。充実した一日でした。