Yutaka Aihara.com相原裕ウェブギャラリー

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週末 炎天下の撮影日
いよいよ新作の撮影日がやってきました。私は朝7時に工房に出かけ、昨日準備しておいた作品を構成するそれぞれの部品を点検しました。私の作品は陶彫部品を組み合わせる集合彫刻です。全体を組み立てるのは、図録用撮影日の今日が最初なのです。緊張と不安が交差する圧迫感に苛まれ、朝から落ち着いていられない精神状態でした。9時半になるとスタッフが続々と工房に来てくれました。自作と言えども自分一人では組み立てられない私の作品は、スタッフがいないとどうにもならない作品なのです。10時にカメラマン2人が到着し、「発掘~根景~」と「発掘~角景~」の部品を野外工房に運びました。まず、「発掘~根景~」の組み立てから始めました。4本の柱にそれぞれ女性スタッフが齧りつき、その上に男性スタッフがテーブルを設置しました。テーブルと柱は補強金具で留めて、陶彫部品をひとつずつ吊り下げる作業に移りました。吊り下げが終わった後、床置きの陶彫部品を設置しました。部品を上部に積んでいって、吊り下げた部品の内部に床置き部品の上部が入るようにしました。最後に床を伸びていく根にあたる陶彫部品を設置して、「発掘~根景~」は出来上がりました。これに比べると「発掘~角景~」は簡単に組み立てが終わりました。野外工房での撮影は、スタッフが作品設置している姿を撮ったものや、それぞれの全体像や部分の接写もあり、昼過ぎまでやっていました。今日は真夏を思わせる炎天下で、野外での作品の陰影がハッキリ出ていました。新緑も美しく、眩い光が溢れていました。私はスタッフの熱中症を心配しました。昼食は毎年やっているピザ店からのデリバリーで、飲み物や菓子は昨夜用意したものでした。工房には小さな冷蔵庫があるので、水分は冷やしていました。午後は野外設置した作品を、一旦分解し、工房内に持ち込んで、再び組み立てる作業がありました。室内でカメラマンは照明を使うので、作品の印象が変わります。スタッフも私も疲れが多少出ていましたが、よく頑張ったなぁと思いました。何とか夕方4時までに撮影も終了し、安堵感が広がりました。ずっと私を圧迫していた緊張の糸が緩み、一気に疲労感に襲われました。ひとまず撮影は成功、自作がイメージ通りだったことに私は満足を覚えました。よくやってくれたスタッフの皆さんに感謝申し上げます。最後は皆さんの力によって私の作品は完成できたと思っています。本当に有難うございました。